わたくしは16回生ですが、1月生まれなので「年男」です。
世界全体が全ての面で液状解体化し始め、日本もまた同様に巻き込まれざるを得ない事は、
皆様はメディアで見聞きされていると 思います。
近代システムは、真理を「科学」にそして「技術」に求め現実化してきたが、AI
(コンピュ ータ)時代になり、何が真理か闇の中で分からなくなっている。
このような「時」こそ、「学びの場」をサポートする「同窓会の意義」が大切になると
思われます。そして「教育」が手に職をつけるだけの目的でなく、エノベーション(発明・
技術)とファインアート(思考の価値観 ・芸術創造)の違いを考え、人文科学と社会科学
を統合した「リベラルアート」(創造文化)を 思考する「時」ではないだろうか。
夏目礎石の論文で「拝金主義」と「カルチュア」について次のように述べている。
「金のある所には理窟もあると考えるのは、愚の極みである。而して世人一般はそう考えて
居る 。」
金持ちが世間で尊敬しているから理屈も分かっているに違いない。「カルチュア」もある
に決まっていると考えているのは間違えだ。逆に「カルチュア」がないからこそ「金」を
抱いているに過ぎない。という。この道理が分からないから「金持チハ供ハ、己惚レテ、
自分達ハ社会ノ上流二位シテト錯覚スルノダ」と怒る。その結果、「自分達ほど道理に通じ
ている者はいない」と言い出し、誰であろうが、自分たちに頭を下げると錯覚する様である。
つまり「カルチュア」が欠けている何よりの根拠であり、その事の分からない人種であると
云々」
長井荷風も又同様に日本の特質(体質)を述べている。時代的な考慮もあると思う方々も
いるが、一考を要する今日ではないだろうか。
新年に一読してみてはいかがと思います。